わたしたちの中にあるイースター
宗教主事 大橋和人
人が住むことの出来る土地のことを「可住地」というそうです。日本は山が多い国です。
日本の国土のおよそ30%が「可住地」だと言う事です。ですから「峠」と言う言葉が実感を
持って生活の中にあります。「峠を越す」「山を越す」(危険な状態や物事のピークを過ぎる
事の慣用句)と言う言い方に込められているように。
「イースター」と言う言葉は、英語では「PASSOVER」といいます。「過ぎ越す」と言う
意味です。「死から いのちに 移る」です。
わたしたちは、「生きて」います。しかし、誰の体験にもあるように、最悪と思えるような
時を脱して、朝日を仰ぐような「イースター体験」をした事があるでしょう。言葉を換えれば、深い悲しみの「小さな死」から、夜明けの太陽、「いのちのよろこび」を感じることです。
「峠を越す体験」と言えるでしょう。そんな時「人」はどんなことを思うのでしょうか?
それが、「この体験」の中心です。
喜びがあまりに大きい時。大きければ大きいほど人は「私の努力ではない!」と叫び、
何かに感謝したくなるでしょう。「イースター体験・峠を越す体験」の根底にあるのは、
「感謝したい何かに出会う体験」なのです。